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ほいくえVoice

【vol. 22後編】主体性と柔軟性と創造性をもって

更新日:2021.12.13|4(2週間) / 452(累計)

フル君
30代 保育歴8年目
私立認可保育園勤務
 
フル君のインタビュー前編はこちら
 
−前編の続きになりますが、「失敗したらいいじゃん」という上司のもとで、やりたい保育をチャレンジできるのは素晴らしいですね!
 
職員に対して「失敗してもいい。多少のケガが出てしまったとしても、園長として私が謝ることもできるし、責任は全部負うから。そういうことは気にせず、やりたいと思う保育をやってみてほしい。」と言ってくれる園長でした。そう言われると肩の荷がおりて、柔軟性や創造性も自分の中から感じられました。その園長の下にいたときには、結構めちゃくちゃなこともやりました(笑)
 
−主体性、柔軟性、創造性をもって保育ができた、印象に残っているエピソードはありますか?
 
2歳児クラスを担任しているときだったのですが、2歳児はどうしても走りたくなるじゃないですか。なので「よし、じゃあもう思いっきり部屋の中を走ろう!」と思い立ち、保育室にサーキット場を特設したんです。保育園で買っていたおむつの特大ダンボールを車に見立てて、一人ひとつ配りました。ダンボールに入り走り回る子どもたちはとても楽しそうで、そうこうしているうちに、ビニールテープで横断歩道作ってみようかとか、信号機作ってみようかとか、柔軟にいろんな発想が生まれて。子どもたちと保育者が楽しいだけでなく、保護者からも「交通ルールを保育園でも教えてくれて嬉しい」と感謝の言葉をいただいたりして、とても良い経験でした。
 
−充実した保育士生活が伺えます。一方でフル君が思う、保育士の一番大変なところはどんなところでしょう?
 
大変なところは挙げたらキリがないですが…一つは低賃金。男性もなかなか踏み込めない、働き続けるのが難しいと言われる大きな要因です。命を預かる職業であること、膨大な業務、保育計画、子どもたち一人ひとりの把握、保護者へのサポートもと考えると、枝葉で見られる業務の種類や量からしても、どう考えても見合わない賃金だなぁと思ってしまう。
自分は子どもたちの想いを常に受け止められる保育士でいたいと強く思っていますが、配置などで余裕を持てる環境でないと、それが難しいとも感じています。子どもたちを傷つけてしまったかもしれないと、反省することもあります。
 
−自他ともに「優しい」と言われる、常に全力なフル君が、子どもたちを傷つけることはないと思いますが…?
 
冷静になって「ああ、あの時あの子の気持ちを受け止めきれていなかったかもしれない」とか、「もう少し別の言動ができたかも」とか、反省したり落ち込んだり。反省して次に活かすことが自分の引き出しを増やすこと、成長にも繋がると思っていますが、保育士としてありたい姿を考える際に環境って本当に重要だと実感しています。
 
−最後に、フル君が目指す保育士像をお聞かせください!
 
1年後、2年後、3年後の自分は保育士としてどうなっているんだろう?は常に考えています。やりたい保育ができたほうが自分自身も幸せですし、自分にとって理想的な成長ができるとも思っています。自分自身が実現したい、やりたい保育は「主体性を育む保育」。ずっと強い憧れがあります。SNSなどで知り合う素晴らしい保育者の方の考えや意見に触れても、いざ現場で実践しようとすると、難しいこともしばしばあります。チャンスを逃さず、自分の理想とする保育をこれからも考え突き詰め、これからも地道にコツコツ学んでいきたいです!
 
【フル君×保育のひとコマ】
雨上がりの発見!この仕事を始めて、日々、発見の連続です!(フル君) 
 
子どもに対しての熱い想いを持ちながら、時に冷静に自分の保育や今後のキャリア、保育士としてのあり方を見つめる姿が印象的でした。全力で走るエンジンとしての体力と、時に振り返りながら軌道修正できるハンドルとしての気力が、とてもバランスよく相互に作用している感じを受けました。今後のご活躍を期待しています!フル君、この度は貴重なお話をありがとうございました!
 
フル君のTwitterはこちら
 
(2021.9 聞き手・編集:鏡味)
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