はなはなさん
40代 保育歴24年目
認定こども園勤務(非常勤)・ベビーシッター
インタビュー前編はこちら。
−10年ほど前からベビーシッターとしてのご活動を始めたんですよね。なぜベビーシッターだったのでしょう?
20代のときから「30代になったら保育園勤務ではない働き方がしたい」と思っていました。子どもを育てながら保育園常勤は難しいだろうと。自宅をアレンジして、小さな保育園を作りたいと思ったこともあります。ただ保育園を作るにも基準やルールがいろいろあって断念しました。ベビーシッターならできると思い始めましたが、とてもいい仕事なのでもっともっと広まってほしい。自分の住んでいるところだと、なかなか普及が進まないのは料金の問題が大きそうです。お問い合わせは来ます、でも価格を聞いて「それは出せないです〜」という反応が結構あり、現状としては限られた世帯の方にしかご利用いただけていない印象です。
−ベビーシッターの楽しさはどこにあると思いますか?
なんといっても、一対一のつながりやお付き合いをお子さまと、お母さまと築ける点です。保育園では叶わない濃密なやりとりができ、その子のためにできることの幅が広いことを感じます。
緊急事態宣言が明け、久しぶりにスイミングに通うAくんの送迎を担当したときのことです。「スイミングに行きたくない!」と言うので、お母さまも困ってしまって。「スイミングが終わったらこの100円でお菓子を買ってきてもOK」ということもお聞きして。何週間かはスイミングのあとにお菓子を買うのが楽しみになっていました。「癖になってしまってごめんなさいね。」とお伝えすると「全然気にしないでください。」と言っていただけて。ベビーシッターをしていると、お母さまと一緒にわが子を育てている感覚になります。これは保育園勤務では感じなかったなぁと。
−反対にベビーシッターの難しさを感じることはありますか?
一人ひとりのお客様に自分ひとりで向き合うわけなので、トラブルやケガは全て自分の責任である、という点が一番大きいです。軽々しくできる仕事ではないです。先ほどベビーシッターの価格が高く感じられることが、普及が進まない原因だとは述べましたが、だからといって安売りしていい仕事だとは決して思いません。
−ちなみに、はなはなさんはケガをさせてしまったご経験はありますか?
3歳のBくんと歩いていたら階段からコロンと転がったことがあって。幸いケガはなかったですが、ケガ未遂です。このときは本当に冷や汗が止まらなかったです。自分の目を離しちゃいけない仕事ですよね。でも、一人ひとりに目を向けられるってすごくいいことだと思います。保育園で勤めていると、忙しくてサーっと流してしまうことも時にはあるので。
−ベビーシッターの方のインタビューは初めてだったのですが、魅力や課題がよく伝わるインタビューでした!この度は貴重なお話をありがとうございました!はなはなさんは今後どのような働き方を考えられているのでしょう?
ベビーシッターとして活動する時間をどんどん増やしていきたいです。みんなでまとまって保育する保育園の良さもありますが、自分には一人ひとりに目を向けられるベビーシッターのほうが向いています。ベビーシッターは料金だけで見るととても高く感じられますが、お母さん達にとって自分へのご褒美的な時間として、今後広がっていくといいです。ベビーシッターの良さがもっともっと広く伝わるように頑張ります!
【はなはなさん×保育のひとコマ】
保育時に着用する、お気に入りのエプロンをご紹介いただきました❣
はなはなさん、この度は貴重なお話をありがとうございました!
(2021.10聞き手・編集:鏡味)