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ほいくえVoice

【vol. 26後編】いろんな大人がごきげんに働く

更新日:2022.2.14|5(2週間) / 213(累計)

まいちゃさん
20代 保育士歴6年目
企業主導型保育 副主任
 
まいちゃさんのインタビュー前編はこちら
 
インタビュー前編で「感覚だけに頼らず、理論や客観的なことも取り入れながら副主任として奮闘中」だとお伺いしました。保育の現場で、職員や子どもたちに伝えたいと意識していることはありますか?
 
子どもたち自身が自分の頭で考える、ということです。例えば「使った椅子はしまおう」というメッセージを受けて「出しっぱなしで転んじゃうと危ないよね」というところまで、伝わってほしいし伝えたいと思っています。その他にも「絵本は背表紙を揃えて収納しよう」ということも、「その方が次に使う人が探しやすいよね」とか「美しいし気分良く使えるよね」ということも、考えてほしい。考えたうえで、日常習慣や思考の癖になるのがいいなぁと。ブロックあそびの後の片付けのとき、子どもたちには「一つずつ外してほしいな。なぜなら先生たちがその後一つ一つ洗ってきれいにするからだよ。」と伝えるようにしています。
 
−一貫したメッセージを、職員にも子どもにもお伝えしているのですね。
 
「そこまで言わないといけないの?」「もっとよく考えてほしい」と大人に思ってしまう場面も時にはあります…。保育者にそういったことを伝えるときは、私が思った、考えた、感じたことに加えて、ニュースでの記事や保育や教育に関する論文、本で取り入れたことなどをセットで伝えることもありますね。
 
−自分で考えて実践する、まいちゃさんがその姿勢を見せているのがとっても素晴らしいですよね。保育者や子どもたちに伝わっていることもたくさんあると思います。派手髪やおしゃれについても、またお伺いしたいです。まいちゃさんが派手髪保育士を続けている理由やポリシーはあるのでしょうか?
 

髪色を抑えて保育士をしていたとき、「なんか楽しくないなー」と思っていました。髪の色に限った話じゃないですが、おしゃれをしたり好きなことをしたりして、それが誰かの迷惑になっていないのなら、すごく幸せなことだと思います。「大人が幸せであることは、子どもに還元できる」というのは、いつも考えていることで口癖にしているポリシーです。いつも不機嫌で怒っている大人に、誰だって保育されたくないじゃないですか。私は鏡で自分の姿を見て「今日も髪色かわいいな」と思えたら、自分の機嫌が取れたらすごく幸せ。仕事も頑張れます!

 
−大人の幸せは子どもに繋がる、素敵な考え方ですね。
 
ただやりたいことを好き勝手やる、というのはちょっと違うと思っています。どこかの団体に属して、誰かと仕事をして、雇用されてということならなおさら。その辺りの塩梅は自分で考えてみる必要がありますよね。それと、子どもたちに「いろんな大人がいる」ということも見せられたらいいなとも思っています。
 
−「いろんな大人がいる」とは?
 
保育園は、子どもたちが初めて出会う小さな世界です。社会にはいろいろな人がいますよね。みんな同じ格好をして、同じことをしている世界なんてないと思うんです。まして子どもたちはこれから違う意見や思考、多様性(ダイバーシティ)を求められる世の中を生きていきます。たかがおしゃれ一つかもしれませんが、いろんな大人がいて社会が成り立っていること、だからこそ社会は面白いんだよということを、子どもたちに知ってもらいたいと思っています。
 
【まいちゃさん×保育のひとコマ】
保育中のわたし。(まいちゃさん)
 
まいちゃさんの今後の展望をお伺いしたところ「保育所保育指針に沿った保育園をもっと追究したい」「これまでの慣習による悪い連鎖、負の連鎖を止められるようなことを考えたい」「保育者だけでなく保護者、社会、国に働きかけるような活動をしてみたい」と、さまざまな想いを聴くことができました。これまで現場で感じてきたこと、経験してきたことを整理して、行動に繋げられるよう思考する。常に保育園や子どもへの想いがあり、課題意識があるからこそできることだと感じました。頼もしい保育者と出会うことができて、大変嬉しくて楽しいインタビューでした。まいちゃさん、この度は貴重なお話をありがとうございました!
 
まいちゃさんのTwitterはこちら
 
(2021.11 聞き手・編集:鏡味)
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