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ほいくえVoice

【vol. 37後編】とびきりの明るさを武器に

更新日:2022.8.1|5(2週間) / 161(累計)

ちひろさん
30代 保育士歴13年目
認可保育園勤務(育休中)
     
ちひろさんのインタビュー前編はこちら
 
―これまで幼稚園、保育園と勤務されてきたちひろさんですが、しんどいな〜と思ったことはありましたか?
 
うーん、正直なところ基本しんどいです(笑)人それぞれ、何かしらのしんどさを抱えて働いているのではないでしょうか?私が特に「しんどかったな〜」と思い出すのは、新卒で入職した幼稚園のことです。
 
―どんな幼稚園だったのでしょう?
 
子どもたちに対して厳しい、教育色が強い幼稚園でした。子どもたちの出来具合で、幼稚園教諭としての評価が下される雰囲気もあって。自分の保育観や意見が伝えづらい、「今までやったことないから」と一蹴される、なんか違うな、どんどん嫌な先生になっているなと思いながら、その職場に染まっていく自分が苦しかったです。
あとは小さなことかもしれませんが、私は体を思いきり動かすことが好きで、製作活動はそんなに得意じゃないんです。ただその幼稚園は製作というと職員たちの腕自慢が始まる。燃えるんです。「ねぇ、これってそもそも子どもたちのための活動だよね!?」とツッコミを入れたいくらいなんですけど、その中でなんとか頑張っていました。
 
―苦しい、奮闘の日々だったのですね。
 
園として大きな方針があって、さらにみんなで意見を伝え合うことができる、失敗しても試してみたらいいんじゃない?という雰囲気があるのが一番理想ですよね。運営側の方針がないのは自由に見えて、いざというとき迷ってしまいます。意見する人が一部に偏っているというのも良くないと思いますし、この辺りのバランスがいい職場がいいなと思います。
 
―新卒で入職した幼稚園ではギャップに悩まれたというお話でしたが、どうやって選ばれたのですか?
 
就職を機にこちら(首都圏)に引っ越してきたんです。土地勘もなく、知っている幼稚園や保育園もなく、紹介会社の方にもらった求人票で決めた感じです。
そこには「住宅街の中に広大な園庭」「さまざまな経験ができるプログラム」といった「なんかよさそう」と思えるキーワードが並んでいて、ここにしようと決めたのです。
 
―もしもう一度保育学生に戻れるとしたら、どんな風に就職先を探しますか?
 
就活中は難しいですが、実習期間中に早番遅番含めて現場にしっかり入って、保育の様子や保育者の様子を見たいと思います。実習先も就職先の候補に含めながら、気になった園の見学、情報収集をたくさんします。そして、もし自分がここで働いていたら…という想像をしてみます。コロナ禍で難しいところもあるかもしれないですが、なるべく広く見る、なるべく深く考えることは保育学生の皆さんに是非おすすめしたいことです。
 
―とてもリアルなアドバイスをありがとうございます!保育の仕事をしていて、よかったなぁと思うのはどんなときですか?
 
入園式や卒園式など、子どもの節目に携われることだと思います。私は失敗もたくさん、製作もピアノも苦手なんですけど、「先生が担任でよかったです」「子どもたちをこんな風に見ていてくれてありがとうございます」などと保護者の方に言っていただけると、やり甲斐を感じますしとても嬉しいです。
 
―いまは第一子の娘さん、双子の赤ちゃんを育てる育児休暇中とのことで。今後の働き方について、どんなことを考えていますか?
 
一番気になる存在は育児中のお母さんです。「働きたくても就職活動すらできない」「気軽にわが子を預けたい」と訴えるお母さんに、育休中たくさん出会いました。自分自身も育児していると大変なこともたくさんあって、ワンオペで助けてほしい、息抜きしたいなぁと思うことも。地域に面した子育て支援を何かしらでいつかできないかな、と考えています。
 
―素晴らしい展望ですね!
 
潜在保育士の方とか、保育学生さんとか、保育園で働いているわけではない保育に携わる方々をつないで、何かできないのかな〜ということはよく考えていますね。
 
ちひろさん、インタビューにご協力くださりありがとうございました!今の職場の園長先生には「初めて会ったとき、よろしくお願いします!と言ってくれたときの笑顔がすごくよくて、その明るさを見てずっと一緒に働きたい!と思ったの」と言われたそうです。そのコメントも深くうなずける、元気をおすそ分けいただいたインタビューでした。ありがとうございました!
 
【ちひろさん×保育のひとコマ】
短大2年の学外研修でのクラス集合写真です。毎年、全学生が参加する学外研修(研修委員の学生が計画、運営をする為、年度によって内容は異なる)が行われていました。この年はクラス対抗体育祭!!学外研修の中で必ず毎年メインとして組み込まれる内容は、各クラスのパフォーマンス披露なんです。きっと、幼稚園や保育園の行事を想定してのことだと思います。なので、少し保育寄りにした内容のパフォーマンスにするクラスがほとんど…いや、全クラスですね。そんな中、私たちのクラスはビシッとかっこよくキメたい!(かわいらしい子ども向けの内容が似合わない、ちょっとヤンチャな人達が多いクラスだったので…笑)ということで【ソーラン節】を踊りました。その時、私はダンス部の部長を務めていたこともあり、構成、振りの指導を行いました。ダンスが苦手な子に対しても、どうすれば踊りやすいか、周りと同じように見えるかなどのコツや誤魔化し方も(笑)教え、練習を積み重ねました。その甲斐あって、先生方、後輩からはかっこよかった、歴代のパフォーマンスとは違うと高評価でした!
卒業後に聞いた話ですが、学園祭やオープンキャンパスの時にフリースペースで映像を流していると、それを見た方々からも評判が良かったとか。。。そして、1番先頭で一人(振りに不安な子の対策として1対25の並び)で踊ってる人は誰だ!?という話題に…((それ、私です!))私の最高の思い出です。(ちひろさん)
 
ちひろさんのTwitterはこちら
 
(2022.6 聞き手・編集:鏡味)
 
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