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ほいくえVoice

【vol. 53後編】人格の土台をつくり、探究心を豊かに

更新日:2023.8.28|2(2週間) / 86(累計)

ひゅっけさん
20代 保育士歴7年目
小規模認可保育園勤務
 
ひゅっけさんのインタビュー前編はこちら
 
―ひゅっけさんは保育以外のお仕事も経験されているのですよね。
 
新卒で入職した保育園を辞めたあと、保険会社の営業職と物流会社で倉庫管理のお仕事をそれぞれ1年ほどしていました。自分のこれまでの経験、強みを活かして働こう考え、保育の世界に戻ってきました。
 
―異業種を経験したからこそ感じる、保育の仕事のよさはありますか?
 
営業のお仕事も保育のお仕事も、「相手の話を聴いてニーズに応える」ことが大事で、基本は同じです。保育はそれをお互いに楽しんでできる仕事だと思いますね。子どもの様子や話からこちらが何かする、それを子どもが喜んでくれる、その反応が保育者の自分にとっては喜びや次の学びになる、次にできることを考え、もっといい保育を目指すことができる、と。
保険の営業だと同じスタンスでもだいたい初めは嫌な顔をされるんですよ(笑)
 
―反対に保育現場でここは課題だなと感じるところはありますか?
 
オペレーションが統一されていないことが多いこと、でしょうか。保険会社も物流会社も大きな組織だったので、どこの事業所に行っても、誰が対応しても同じように業務がなされるような安定した仕組みがありました。締切日や集金日はいつだとか、その後のスケジュールも決まっていて、手順も細かく定められていました。そうすると基盤になるものを大事にしますし、判断に迷うことも少なくなります。
一方で保育現場はどうかというと、皆が個人商店のようで、自分のやり方でという面はあると思います。それは良い面もあるのですが、方針やマニュアルが媒体資料としてあるものの落とし込みが不十分だなと感じることが多くあります。それ故に遵守しようとする意識が薄れてしまい、イレギュラーで揺れることが多発してしまい生産性に欠けることがあります。これってどうなの?どうする?どうする?と、組織運営的にも作業効率的にも課題は感じます。
 
―異業種でも共通することと、様子が大きく異なることと、すごく分かりやすいです。前編では幼児との関わりが楽しかったというお話でしたが、いまは0−2歳の小規模認可保育園にお勤めなんですね。
 
現在勤務している小規模保育園の前は、0−5歳の中規模保育園にいました。その時「乳児のプロを目指せ」という勧めがあり、3年間ずっと0歳児担任をしていたのです。
 
―乳児を担任してみて、いかがでしたか?
 
赤ちゃんってこんなにも可能性無限大なんだ!と驚きましたね。お手本にしたい素敵な先輩にも出会い、言葉がけや表情、愛情深く接する術を身近で学べたことも大きいです。適切な関わりをすれば人格の土台をつくる、探究心豊かになるきっかけを作れるのかと感動を覚えました。日々の保育、活動の中で立った!はいはいした!という成長に触れられることも、大きなやりがいに感じています。
 
―ひゅっけさんが乳児保育に目覚めた転機で、学びがいのある、素敵な職場だったのですね。
 
とてもいい職場を転職することにしたのは、乳児保育をさらに深く学びたかったからです。乳児保育を極めるなら、小規模でも働いたほうがいいと思いました。行事のありかた、日々のねらい、保護者が求めるものも、同じ乳児保育でも規模によって異なると思うので。
 
―本当に保育が好きなんですね、勉強熱心で素晴らしいです。最後に今後の展望をお聞かせください。
 
「歩く保育所保育指針」になりたいですね(笑)保育所保育指針はよく読み返しています。保育に正解はないと言われますが、保育所保育指針に沿えば不適切保育は絶対に起こり得ないですし、子どもの最善の利益は守られるはずなんです。どこから誰に見られても「ひゅっけさんの保育は大丈夫」と言われる、クリーンな保育を目指したいです。
また大規模、中規模、小規模保育園と経験してきて、自分の性格に合うのは大規模なのかな?という感覚もあるんです。ゆったりした時間よりも追われる時間のほうが好き、といいますか。さまざまな職場を経験したからこそ見えてきたことですが、また大規模保育園に戻ってもいいのかな?なんてことも考えています。
 
ひゅっけさん、後編もありがとうございました!同僚の方や保護者の方には「いつだって明るい」とよく言われるそうです。終始とても楽しいインタビューでした。
 
【ひゅっけさん×保育のひとコマ】
休日はゆっくりイラストを描いてます。色々考えるのをやめて、好きなものを描いている時がリラックスできます。(ひゅっけさん)
 
ひゅっけさんのX (Twitter)はこちらです。
 
(2023.6 聞き手・編集:鏡味)
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