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ほいくえVoice

【vol.18後編】学び続けること

更新日:2021.10.4|1(2週間) / 234(累計)

やまひろさん

30代 保育士歴17年目

企業主導型保育園 勤務

 

インタビュー前編はこちら

 

―保育士をする傍ら、意欲的に学ばれているやまひろさん、活動の幅を広げていっているようですね。

 

自分の子育てを見直したいと思ったのがきっかけで、コーチングを学び始めました。つい押し付けで子どもに何かをさせてしまいがちだったので、それを改めたいと思い。学んでいく中で、コーチングを活用して保護者支援もしていきたいと思うようになりました。

 

―コーチングの観点から子育てのアドバイスができそうですね。

 

コーチングの手法の中に、子どもを5つの気質に大別するものがあります。子どもには生まれもった気質があり、その気質を知ることが関わる際の手立てのヒントになるというものです。

 

―どのような気質があるのですか?
 

エンジェルタイプ・テキストタイプ・ネガティブタイプ・アクティブタイプ・デリケートタイプの5つです。その中で2つ(※ご自身のお子さんのタイプだそうです)紹介すると、エンジェルタイプは、いつもニコニコ人見知りなく人当たりがいいのが特徴です。一方で行動予測や時間管理、注意力等に課題が見られがちです。そんな子へは、予測脳を育てる働きかけをするといいのだとか。例えば「明日何する?」などと聞いて思い浮かばせ、持ち物など次の予測をする脳を鍛えていきます。もう一つ、テキストタイプは、人の真似が上手く、何でもきっちりやりたいタイプです。一方で失敗が苦手。そんな子へは、あまり「あぁ間違えちゃったね」などと“間違え”や“失敗”を指摘しない方がいいです。そこへ寄り添いすぎず、「じゃあどうしようか」と次へ目を向けてあげることが効果的なようです。

 

―なるほど、興味深いです。他にも学ばれていることがあるのですか。

 

アドラー心理学についても学び始めたところです。その中に課題の分離という理論があります。子どもに対しつい踏み込んで叱りたくなりますが、自分の課題と子どもの課題を分離させて考えようというものです。例えば忘れ物について。忘れ物させないように大人が口酸っぱく言うのは一見子どものためです。でも実はそれって、親がしっかりしてないと周りから見られるのが嫌だからではないか?実は大人自身のためではないか?という考え方です。そういった大人の課題(感情)と子どもの課題とは分けて考えなければならないというものです。どうしても口出ししたくなってしまうのですけどね…

 

―なるほど。特に自分の子へは、分かってはいるけどつい言ってしまうことって本当に多いですよね。気を付けます。 多くの経験や学びを積まれてきているやまひろさんですが、今後更にチャレンジしたいことがあるのでしょうか。

 

今は子育てもありパートタイムで働いているのですが、もう一度正職員でチャレンジしたい思いがあります。なぜなら、保育中に感じる問題や提案を声にしたいと思っても、また、自分の知識を周りに広めたいと思っても、やはり今の立場だと限界があると感じるからです。それに、責任ある立場にならないと見えないことって必ずありますよね。事の全容を分かったうえで自分の主張をできるようになりたいと思うのです。なので正職員や役職ある立場を目指したい気持ちは大いにあります。とはいえどうしても家庭との両立を考えた時に課題も多い…なので今の思いとしてはタイミングが合えばぜひ挑戦したいというところですね。後悔しないよう自分のやりたいことはやりたいです。

 

 

日々の保育の忙しさで情報のアップデートが間に合わない、また、自分の保育を信じすぎている傾向もある、などといった課題を現場に感じるやまひろさん。自分の学びが少しでも周りの役に立てたらと、保育と子育ての豊かな経験に加え、まさに現在進行形で学びを進めています。経験に知識が加わると、保育観にグッと厚みが増しますね。その日々尽力されている姿に後押しされる人は多いはず。「一生学びだ」と、お話を聴きながら強く思った次第です。この度は貴重なお話をありがとうございました。

 

〈やまひろさん×保育のひとコマ〉

「朝ごはん兼仕事後のおやつ」の私流の栄養ドリンクです。園の子どもに負けない力を補給して「今日も楽しむぞ!」と気合いの入る飲み物です。

 

やまひろさんのTwitterはこちら

 

(2021.07 聞き手・編集:土屋)

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