おぐなさん
1981年生まれ 保育歴14年目
公立認可園 主任 0歳児クラス担当
−産休育休を経て、この4月から復職を果たしたおぐなさん。早速ですが、職場で意識していることはどんなことでしょうか?
一言でいうと仕事の効率化です!子どものためには労力を惜しまない、自分の時間を犠牲にしてでも、私はそういう保育がしたいと主張する同僚がいるのも事実です…。保育の仕事は売上目標、コスト、期日などがない仕事だからか、時間や労力度外視でだらだらやるような風潮もあると感じています。
が、いまの私の生活には無駄な時間は1秒たりともありません。残業せずに済む方法を考えたり、時間を作り出すための他の方法を検討したり。それから自分発信で変えられることはどんどん変えていきたい、とも思っています。
−とても頼もしいです。最近発信したことを是非教えて下さい。
復職して最初の朝礼では、今年度の自分の目標を発表しました。私はこんな姿勢で仕事をしたいという意思表明です。そしてそれを職場のトイレに貼っています。
−意志の強さと行動力を感じます。周りの反応はいかがでしたか?
「いい内容だね」とコメントをもらったり、そのアクションを褒めてもらえたり、割と好意的ですね。押し付けがましくなく、自分の考えを理解してもらえているような気がしています。
−育児しながらの仕事、家事。旦那さまとは二人三脚で協力しているとお伺いしました。その秘訣はどんなところにあるのでしょうか?
お互いに自立する、自分のことは自分でする姿勢を持つことですかね。その上で、協力して日々やっていこうと。私の母が父の身の回りのこと、炊事やらワイシャツのアイロンがけやら、もう家のことは何から何までこなしていました。幼いながらどうして母一人がやっているのか?このままだと何もできない父になってしまう!と、ずっとずっと疑問でした。だから夫とは価値観のすり合わせ、話し合いを丁寧にしてきたつもりです。相手を責めることなく、同じ問題に向かって解決策を考えて出すような感じです。
これって、よくよく考えると仕事では当たり前の姿勢だと思うのです。なぜか家庭だと、意識していないと難しくなってしまう…。
−いやぁ、そうなんですよ。私もおぐな夫妻を見習わないといけません。相手を責めることなく主張する、昔からこういったことは自然とできる性格だったのでしょうか?
全然です。以前はどうしてあの人はこうしてくれないんだろう、分かってくれないんだろうと腹を立てたり、相手の悪いところを指摘したり、そういう振る舞いをしていました。でもそれは解決につながらないし、良い方向にも進めないとある時気付いて。
−課題に向き合ったからこそ得られた気付きがあって、今のおぐなさんがいるのですね。保育の話に戻りますが、若手の保育士に気付いてほしいこと、意識して伝えていることはありますか?
とにかく自分の生活と自分自身を大切にしてほしい、ということです。自分を犠牲にして我慢する必要なんてない、保育士はもっとわがままに生きるべきなのではないかとも思っています。
生活の基盤を整えることが土台としてあって、その先によい仕事、保育の実現があると思っています。保育者には安心した気持ち、不安のない状態が絶対に必要だと思っているのですが、そこをすっ飛ばしているというか、気付いていない保育者が多いことも実感しています。心身健やかな状態で保育にあたろうよ、は私が強く伝えたいメッセージです。
育休中は保育の現場から離れ、落ち着いて読書したりYoutubeでのインプット、Zoom勉強会への参加など、積極的に学ぶことの楽しさを再認識したというおぐなさん。自分自身を俯瞰できたほうが、次の自分に進む余裕ができて楽しくなると思います、とお話くださいました。育児も仕事も家事も全力投球、一生懸命。その力強い姿に勇気をもらえるインタビューでした!
おぐなさんのtwitterはこちら
次回のインタビューではおぐなさんが保育士になったきっかけ、保育の現場で大変だったことをお届けします。どうぞお楽しみに!
(2021.4 聞き手・編集:鏡味)