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いろいろ
“教える”より“気付かせる”
この大切さをより感じたのは、当園でこのような出来事があったからです。
3歳児の子どもがマグブロックで遊んでいました。
マグブロックを片付ける時です。
そのブロックは、一つずつ付けていかなければ、磁石の向きで重ねられないようになっています。
それが原因で、その子どもはブロックを重ねるのに苦戦していました。
こうかな?と首を傾げながら、ブロックの向きを変えたり違うブロックで試したり、何度も挑戦していました。
そこで、先生が何も言わずに一つずつ付けていく姿を一度だけ見せると、その原理に気付いたのです。
なるほど、といった表情でどんどんブロックを重ねていきました。
無理やりブロックを重ねて片付けるのではなく、先生の動きをじっくり見てブロックの性質を理解し、片づけを進めていったのです。
その姿を見た時に私は、気付かせていくことで子ども達はよく観察するようになったり、思考力が働いて考えようとしたりするのだと思いました。
自分の手指を動かし、考え、失敗したり成功したりしながら、“気付き”を得るのです。
“気付き”を得ることで、自分で発見する喜びを経験することができます。
4歳、5歳、6歳、と年齢を重ねていくにつれ、子どもは知的探求の範囲を加速度的に広げていきます。
その過程で一人ひとりが自分の意思で獲得していく“気付き”にどれだけ配慮してあげられるか。
これは、保育や子育ての環境づくりにとても重要な課題のうちの一つと考えます。
ドイツで活躍した教育者シュタイナーは、著書『子どもの健全な成長』の中で、7歳までの子どもは「模倣」によって学ぶ存在であり、この時期に注意力や記憶力を求めると、後年に身体の痛みなど負担となって現れると説明しています。
幼児期の子どもに必要なのは教師などの「指導者」ではなく、子どもの主体性や意欲を高めるために寄り添ってあげられる「援助者」なのです。
お子様と関わる際、このことをぜひ意識して関わってみてください。
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