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親育(親子関係)
特別養子縁組を組まれたSさんのお話
子どもを育てるのに、血のつながりがあることは、どのくらい重要なのでしょうか。 Sさん夫婦は実子に恵まれず、 特別養子縁組で子どもを迎えることにしました。
特別養子縁組とは、 生みの親との法的関係を解消して、 養親と親子関係を結ぶ養子縁組のことで、6歳未満の子どもに限るなど、 条件を満たした上で、 家庭裁判所で審査を受ける必要があります。
認められれば法的には実子と同様の扱いになります。 『その子を、 ください。』 (鮫島浩二/アスペクト) には、子どもを手放すことになったカップル、 その子どもを引き受けたカップルが紹介されています。
Sさん夫婦もそこで紹介されているカップルです。 お二人は血のつながりについて次のように述べています。
夫 「生まれて間もないころは大事に大事に育てていて、怒るなんてことはまったくなかったんです。でも今は世間の親と同じ。 この子がかんしゃくを起こせば怒るし、本当に変わらないですよ。 普通の親が子育てをするときに思うことと同じです。 養子だからっていう特別な苦労はまったくないです」。
妻 「そこに子どもがいてくれる、その存在がすべてです。 血のつながりなんて関係ないですよ」。
親子関係は、せめぎ合いを含めたさまざまな関係の歴史で成り立ちます。 そこに血のつながりのみが重要でないことがわかります。
ただし、子どもからすると、血のつながりは自分のルーツに関係するため、自分の親について子どもが知る権利を保障することは重要です。
日本でも近年、子どもに生みの親の存在を伝える、 オープンな養子縁組がなされるようになってきました。 子どもに生みの親の存在を伝え、子どもの理解を形成する試みのことを「テリング (真実告知) 」 と言います。
小さい子どもに真実を伝えることは酷なのではないかと思われがちですが、 小さい頃から繰り返し日常生活のなかで伝えられるほうが、子どもにとっては自然に理解しやすいのです。
『ねえねえ、 もういちどききたいな、 わたしがうまれたよるのこと』 (カーティス&コーネル / 坂上香訳/偕成社)という絵本では、女の子が、 自分が養親の元にやってきたお話を繰り返しせがむ姿が描かれています。
子どものアイデンティティ形成にとっても、真実を隠すことのほうが子どもの発達にとってマイナスであると考えられています。
2023年4月時点で、日本の15歳未満の人口は1435万人発表されています。
家族の形は様々であり、今の子どもが未来を切り開いていくと言っても過言ではありません。
子どもは無限の可能性を秘めています。血のつながりだけではなく、子どもと関わる大人は責任を持ち関わってあげたいなと考えさせられます。
本日もありがとうございました。
ラバント保育園
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