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親育(バイアス)
まず 「バイアス」 っていうのは 「先入観」や「偏見」の事をいい、 物事を正確に捉えずに偏った考えをしてしまうことなのですが、 いけない事ではありません。 人は誰もが全員持っている物なのです。
みなさんがご存じの物語に 「はだかの王様。」(アンデルセン童話)新しい服が大好きな王様は、詐欺師から洋服を買うのですが、詐欺師が 「この服は愚か者や職務に適さない人には見えない服です」と言うので、 王様も家来も 「お~、すばらしいデザインだ!」 と、 さも見えているかのように言う物語。
この王様が引っかかったバイアスを 「適格性バイアス」とか 「自己奉仕バイアス」というのだそうです。これは「自分自身を肯定的に見ようとする傾向」や「自分が特定の仕事に適していると信じる傾向」を言うのだそうです。
そして裸でパレードをしている姿を見ても、民衆の誰もが、 本当は服など見えていないのに誰も何も言わない。 これも 「集団思考」 や「同調圧力」(これらもバイアスです)が働いていているのですね。
でも一人の子供が 「でも王様は裸だよ」 と言った瞬間に、みんなのバイアスは解けて、 民衆も、家来も、 王様も真実を認める・・・と言うものです。
これは物語だから・・・と思われる方もおられますが、 私たちのまわりにも、こういう「バイアス」 はあって(誰もが持っていて) それがあらゆる場面で使われています。
さて、では子育ての中でどんな場面にそんなバイアスが隠れているか? と言うと、 例えば子どもが親を説得しようとする時です。
子どもがゲームが欲しくて、 親にねだるけど、なかなかオッケーしてくれない。そんな時に子どもが使う常套手段は 「みんなもってるよ」「みんなやってるよ」という『みんな』という言葉です。
親としては 『みんな』 が持っていて、うちの子だけが持っていなかったりしたら、話し相手にしてもらえなかったり、肩身の狭い思いをするだろうな・・・ と、 心はかなり動きますよね。
これは「バンドワゴン効果」と言われるバイアスだそうです。 「バンドワゴン効果」 は、大多数の人々が行っている行動や考え方を模倣する心理的な傾向の事を言うそうです。
はだかの王様の民衆の心理と同じですね。でもそんな時、子どもにこう聞いてみてください。「みんなってだれ?」 って。そうすると子どもは 「え~っと。A君とB君と・・・D君かな!」というでしょう。 (
「という事は3人ね。 じゃあ 『みんな』じゃないね」と言うと、 子どもは、 思い通りにならない事に癇癪を起したりしますが、 それ以上に要求することは無くなります。
これはゲームだけじゃなくて、 もうさままな場面で使われますが 「みんなってだれ?」と聞くだけで効果はあります。
バイアスを持っている事って「悪いこと」ではないのです。例えば、人がどちらかの方向に一斉に走るのを見て「あ、逆方向には何か危険なものがあるのかもしれない」 といち早く感じるように、バイアスがあるからこそ危険な情報に早く気づいたりしますね。
子どもは素直なので、「先入観」や「偏見」をダイレクトに表現します。その時にかわし方を身につけておくと、広い視野で対応できるのではないでしょうか。
本日もありがとうございました。
ラバント保育園
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