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親育(利き手について)
もし「利き手についてご質問があったとしたら私は、 字だけは右で書けるようにされたらどうですか? とお返事すると思います。
それはなぜかと言いますと、これから学校に行くと、必ず漢字を書くようになりますよね。
特に小学校以上では 「書き順」 も覚えるようになります。この書き順は何のためにあるかご存知ですか?
実は、書き順の通りに書くと、 それぞれの漢字が滞りなく書け、早く、 書きやすく、又形を作りやすい(きれいに書ける) のです。
しかしこの書き順は右手専用なんですね。
左利きの人も右手専用の書き順を覚えなければならないんです。わざわざ書きにくい右手専用の書き順を使って左手で書く、というのは、前に走るために作られた車をバックで走らせるようなもので、とてもとてもやりにくいのです。
はい。やりにくい、という事は上達しにくい、と言う事。 上達しにくい、という事は嫌いになりやすいという事です。
書く度に「自分は字が下手だな〜」と思えば、書くのが嫌になりますよね。 書くのが嫌、という事は 勉強嫌いのきっかけになります。それが分かっているので、 「字を書く時だ右手で慣れさせるといいんじゃないかな?」と私は考えます。
ただ、 もうある程度の年齢で、左手で書く事に慣れているのなら、強制的に直すのはお勧めしません。まず『強制』というのに抵抗がありますし、 本人がそのデメリットを知らなければあえて嫌になる理由を教える必要もないと思うからです。
薬学博士で池谷裕二さんという方の著書を知る機会がありました。「脳はなにかと言い訳する」。
その方ご自身の本の中で語られている「利き手」 についてすごく面白い考え方だな、思ったので、下記に書かせていただきます。
(静岡県出身で、 あのサッカーで有名な藤枝東高校を出て、東京大学に進み、現在は、主に脳の研究をされています。)
右利きというのは、 万国共通です。世界中、どこへ行っても、 右利き優勢の社会です。そして、驚く事に、文明史以前の遺跡から出てきた斧を見ても、 すべて 「右利き」 であった事が分かります。いつの時代も人は右利きなのです。人間にとって左右対称なのは体の表面だけ、中身は対称ではありません。
心臓は左にあって、 左右に壁がある道を歩く時、人は、壁側を左にして歩く傾向があります。それは、心臓を危険から守ろうという、いわば生理的な反射、無意識の防衛行動なのでしょう。
右手を動かすのは左脳です。左脳に言語野 (脳の一部で言葉をつかさどる部分) があるのもそんな理由である程度、 説明がつくのではないか? と思います。又、右手がより表情豊かに言語表現できるとすれば、楽器演奏では右手でメロディーを弾いたほうが良いわけで、 ピアノの鍵盤楽器が右側にいくほど高音になっているというのもうなづけます。
さすがに脳の研究家だけあって、最後は脳の作りが利き手に関係があったところで結論付けています。
もう一つ興味深いこともありました。それはまだ小さい子の場合、 左手でいろいろしようとしますよね。これにも理由があったんです。 このように書かれていました。
赤ちゃんは左利きが結構多い。 これも万国共通です。でも、 これは簡単に説明がつきます。お母さんが赤ちゃんを抱き上げる時の格好を思い浮かべてみてください。赤ちゃんの頭はお母さんの左側の胸にきます。 赤ちゃんの右手はお母さんの脇の下に入るか、もしくは胸に乗せられて窮屈な状態です。すると自由になるのは、 残った左手。だから、赤ちゃんは左手から使い始めます。
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妙に感心してしまいますね。
しかし、 左利きの方もすばらしい結果・功績を遺した方は沢山おられますので最終はご家庭の判断になるのだと思います。
さて、発表会が近づいて参りました!子どもたちの精一杯の演出を楽しみにしていてください。
本日もありがとうございました。
ラバント保育園
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