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子どもの能力は遺伝と環境で決まる?
子どもたちが大人になるころに必要とされる能力は、親の世代とは全く異なります。
足元を見れば2020年の教育改革も迫る中、「わが子が将来活躍できる為に今、何をすればいいのだろうか?」と悩む保護者も多いことでしょう。
世の中には情報があふれ、身近な人の話を聞いて「○歳までにあれをしなければ!」と焦燥感に駆られることもあるかもしれません。
小さいうちに脳を活性化させないと、成長してからではリカバリーできない」といった話は、育児中であれば一度は聞いたことがあるでしょう。
これは逆に考えれば、「小さいうちに脳を活性化させておくと、その効果は成長後にもずっと続いていく」ということになります。
しかし、人間は父母からの遺伝子を受け継いで生まれてくる以上、遺伝の影響を受けることは必然です。
子どもの将来に関わる知性や知能はどの程度遺伝し、どのように現れてくるものなのでしょうか。
「世界中で進められた一卵性双生児と二卵性双生児の類似性を比較した研究では、知的能力を測るIQは、17~18歳ごろに向かってだんだんと遺伝の影響が大きくなっていくことが分かっています。
成長とともに脳のシナプスの結合が増え続けていき、1人で行動する時間が増えていくにつれて、遺伝的な個人差が現れてきます。
6歳までは遺伝の影響はそれ程見られません。
つまり、家庭環境の影響が大きいということです。
では、次に「知能」「性格」「自尊心」
「芸術センス」がどの程度遺伝の影響を受けるのでしょうか。
【知能】
世界中の研究者により、知能は遺伝子の影響を60%受けることが示されています。
40%が環境の影響ということになります。
知能の分野では、年齢を重ねるにつれて遺伝の影響が強くなりやすいこともわかっています。意外に思われるかもしれませんが、人生の前半は学校教育による環境の影響が大きいことなどが要因と推測されています。
【性格】
性格には「協調性」「外向性」「開放性」「神経質」「誠実性」などさまざまな要素がありますが、概して40%遺伝の影響を受けるとされています。
つまり性格においては、遺伝より環境の影響が大きい場合が多いと言えるでしょう。
【自尊心】
性格の一部と捉えられ、40%遺伝の影響が認められます。
遺伝よりも環境の影響が少し大きいのですが、もともとの自尊心がどの程度であるかは、遺伝子の影響が大きいのです。
60%は環境要因ですから、環境の大きな変化によって自尊心は変動します。
【芸術センス】
芸術的なセンスは客観的・科学的な測定が困難なため、エビデンスは多くありません。
それでも、音楽の分野でリズム感や絶対音感といった測定可能な要素では、50%影響が認められました。そのことから考えると、他のジャンルにおける芸術センスも遺伝の影響があることが推測されます。
知能や性格にも少なからず遺伝の影響があることを知り、どう受け止めるべきか戸惑われた方もいるかもしれません。
しかし一方では、行動遺伝学の研究成果は、環境による影響の大きさを科学的に裏づけていると言えます。
まず当然のことながら遺伝によって全てが決まるわけではないという側面から、環境の重要性を説明できます。
大まかに言って遺伝と環境の影響は半々、環境は人のあらゆる能力を伸ばすうえで非常に重要な役割を果たすのです。
さらに遺伝による素質を引き出すのが教育であることも注目してほしいポイントです。
遺伝による素質というと、本能的に自然と発現すると考えるかたが少なくありません。
しかし、人の能力を引き出すためには教育、すなわち環境が欠かせません。
これは英語の才能がある人を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
いくら才能があっても単語や文法が自然と頭に湧き上がるわけではなく、教育を受けなければ英語を話せるようにはなりません。
バイオリンの天賦の才能があっても、やはり教わる環境がなければ弾けるようになりません。これは知能でもスポーツでも同じことです。
そういう意味でも環境の大切さを伝えたいです。
このように、「早期教育」が重要というよりも
良い環境を与えてあげることのほうが大切である。
当園では、子どもの無限の可能性を伸ばせるようなカリキュラムを多数行っています。
何個かカリキュラム内容を紹介したいと思います。
【百玉そろばん】
乳幼児の脳は、見たものを手で触れて、動かしていくことで発達していきます。
百玉そろばんは成長に欠かせない手先や
手首の発達を促してくれます。
また、百玉そろばんは数の概念を理解するのに
最適なツールです。
数は、子どもが初めて出会う「抽象的な概念」です。
幼児期に数の概念を理解しておくと
小学生になっても数字が体得されているので
算数に対する苦手意識を持つことが軽減されます。
【リトミック】
人格を形成する3要素は、
心(マインド)
力(パワー)
性(キャラクター)
これらはお互いに補い合い成長していくもので、どれを欠いてもいけません。
また、どれかを特別に伸ばすのも無理があります。
例えば競争心ばかり煽ると攻撃的な人に、記憶力ばかりだと頭でっかちな人になるかもしれませんし、「感受性」「創造性」に至ってはそれのみを取り上げても伸ばすことは困難です。
あくまでも大切なのはバランスなのです。
リトミックは人間にとって最も自然な表現である音楽を手段として、幼児に優しく深く働きかけます。
まずその結果は音楽能力の飛躍的向上という形になって表れますが、子どものためのリトミックの本来の目的は豊かで可能性あふれる人格形成です。
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