いろいろ
言葉の大切さ
この二つに加え、ぜひ取り入れていただきたいのが、望ましい行動に対して「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えること。
子どもの中に自律性や主体性が育っていきます。
当たり前の言葉ですが実は気持ちを込めた
「ありがとう」や「ごめんなさい」は
大人でも難しいのです。
当園では子ども達に目を見て言うことの
大切さを日々伝え続けています。
これは子どもに言うからには、教育者である
私達も職員間で気をつけていることの
一つです。
一般に、褒めて育てるほうが子どもは伸びやすいと考えられています。
「注意する」より、「褒める」を増やすように心がけたいですよね。
子どもは、保護者から認められたいという強い気持ちをもっています。
そのため、子どもの行動に対し、「よくできたね」「すごいね」などと褒めると、「これは望ましい行動なんだ」と理解し、もっと期待にこたえようとして同じ行動を繰り返します。
一方、「早くしなさい」「それをしてはだめ」などと注意すると、子どもは「これは望ましくない行動なんだ」と学習します。
「どうしてだめなのか」を理解することもあるかもしれませんが、単に「注意されたくないから」という理由で行動を改める場合もあるでしょう。
一見、「注意する」のと「褒める」のは正反対のように思えます。
しかし、見方を変えると、どちらも保護者の価値観に沿って子どもを動かそうとする行為と言えます。
どちらも「上から目線」の評価になってしまうのです。
もちろん、いつでも子どもの思うままに行動させるわけにはいきません。
教育としてある程度、保護者の考えに従って動かすことは必要でしょう。
しかし、注意するにしても、褒めるにしても、常に保護者の価値観に沿って行動するように促すだけでは、子どもの行動原理は「褒められたい」「注意されたくない」という保護者を軸としたものだけになります。
そうなると、子どもの中に自律性や主体性が育ちにくくなります。
それでは、どのように子どもに接するのが良いのでしょうか。
「注意する」「褒める」とともに心がけていただきたいのが、「感謝する」です。
注意、褒めると違い、感謝の気持ちを伝える際は、対等な関係がベースとなります。
それゆえに子どもを認める気持ちが伝わりやすくなります。
例えば、おもちゃを片付けられたとき、「よくできたね。えらいね」などと褒めると、子どもは嬉しい表情を浮かべますよね。
その根底には、「もっと褒められたい」という気持ちがあります。
ただ、褒めない日が続けば、自主的に片付けをしない子どももでてくるはずです。
一方、「お部屋がきれいになって気持ちいいよ。ありがとう」と感謝の言葉を伝えると、子どもはどう感じるでしょうか。
親に認められた嬉しさに加え、「部屋を片付けると、みんなが喜んでくれる。家族のためになることができた」といった、褒められたときとは異なる喜びを感じるはずです。
こうした気持ちが強まると、「褒められるため」ではなく、「家族に喜んでもらうため」に片付けようと考えるようになるはずです。そのようにして徐々に自律性や主体性は育っていくのです。
自主的に「ありがとう」「ごめんなさい」を
言える子に育ってくれたらなによりも
嬉しいですね。
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