menu

いろいろ

世界各国でおこなわれた貧困問題への意識調査で興味深いデータ

更新日:2019.3.24|1(2週間) / 174(累計)

世界各国でおこなわれた貧困問題への意識調査で興味深いデータ
近年、教育分野では「非認知能力」の育成に関心が集まっています。

子どもがより良い人生を歩むうえで、これまで重視されてきたIQや学力などの「認知能力」よりも影響力が大きいことが明らかになりつつあるからです。



新年度保護者会でもお話したように、保育園・幼稚園・学校、地域社会で周囲の大人たちがどのように子どもと接するかによって大きな影響を受けるといわれています。

そして、非認知能力を育まれる機会を逃した子どもは、大人になった後に仕事や生活面でより多くの機会を失う可能性が高い。結果として貧困に陥ってしまうといわれています。



さて、子どもの貧困率が日本の4倍近い50%という状況にあるアメリカでは、長年にわたってさまざまな取り組みがなされてきました。



世界各国でおこなわれた貧困問題への意識調査で興味深いデータがあります。

「自力で生きていけないようなとても貧しい人たちの面倒をみるのは、国や政府の責任である。この考えについてどう思うか?」

この問いに対し

「そう思わない」と答えた人は、

中国9%

イギリス8%

ドイツ7%

これらの国々では、ほとんどの人が貧しい人の支援を政府が行うべき、と考えていることがわかります。



しかし日本では

「そう思わない」と答えた人は

38%

諸外国の5倍近く。

アメリカですら28%。



貧困に冷たい我が国は、貧困は自己責任だと突き放し、結果として、自己責任と持ちようがない子どもたちの間に貧困が広がることを放置してしまっています。



というまえがきで始まる「私たちは子どもに何ができるのか」ポール・タフ

より「親」というページをシェアします。





「環境」という言葉を聞くと、たいてい最初に思い浮かべるのは子どものまわりの物理的な環境だ。

確かに物理的な環境も、とくに文字どおり有毒な場合には、(例えば飲み水に鉛が入っていたり、吸い込む空気に一酸化炭素が含まれていたり)子供たちの発達に一定の影響を及ぼす。

しかし、最新の重要な発見によれば、一番問題となる環境要因は、居住する建物でもなく、子供たちが経験する人間関係なのだ。

つまり、周りの大人が、とくに子供たちがストレスを受けているときにどう対応するかである。

子供が感情面、精神面、認知面で発達するための最初にしてきわめて重要な環境は、家である。

もっとはっきり言えば、家族だ。

ごく幼い頃から、子供は親の反応によって世界を理解しようとする。

幼児が音をたてる、あるいは何かを見ると、親は子供の関心を共有し、片言のおしゃべりや泣き声に対し、しぐさや表情や言葉で反応すること。

これらは、親と乳幼児の間で当たり前のやりとり、もしくは親にしてみれば無意味な繰り返しに感じられるかもしれないが、乳幼児にとっては世界のありようを知るための貴重な情報をたっぷり含んでいる。

親のほんの小さな配慮が、非常に深いところから、極めて重要な遺伝情報に関わる部分まで掘り下げるようにして、子供の発達を助けるのだ。





園生活でも、似た状況はたくさんあります。

幼児教室と違い、園生活は活動以外の時間に(外遊びの移動中、布団を敷く時間、整列中、身支度をしている時など)他者との信頼関係を築いていきます。

何気ない一言が、園生活の全てをやる気づける内発的動機になります。

いかにこの時期に、意欲ややる気に子どもたち自身が出会えるか。

そんな言葉がけができる職員を増やしていきたいと思います。



いよいよ今年度最後の一週間ですね。

良い一週間にしましょう。
  • この記事をシェア:

その他のタイムライン