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子どもは大人の親である
新入園児のお友だちがお母様と離れる際自ら手を振り、「行って参ります」と言わんばかりの逞しい表情でお母様から離れた様子が見受けられました。
その男の子は園生活に慣れず、泣いて登園しているお子様でした。
「初めてかもしれない」
とお母様の心の声が漏れるかのような言葉は、「少しずつ集団の子」になり、成長していることを実感できた一面だったと思います。
泣いてお母様を惜しんでくれていた姿が懐かしかくなる日が来ます。
入室してから扉が閉まり、お母様を振り返らずすたすた歩く姿に最後の扉が閉まるまで、お母様がお子様の姿を覗くまなざし。
子どもの表情から、高揚なのか緊張なのかは計り知れないですが、その背中が大きく見えた気がしました。
健気でもあり
ひたむきでもあり
果敢でもある
身支度を済ませてフロアに入る際、扉が開くと「今日も保育園頑張るぞ!」と気持ちを切り替える姿。
『子どもは大人の親である』
英国の詩人ワーズワースの言葉ですが、それに倣って言うならば『保育園は親が子に学ぶ場である』と思います。
ひたむきであること、乗り越えること、恐れないこと。
そのどれもが、ひょっとしたら大人の我々が忘れてしまったことかもしれないと思った瞬間でした。
都合や利害で動くのではなく、自分の役割をしっかりと生きること。
私達は、幼児期の人間の原初こそ学ぶことの大きさを感じています。
保育園は子どもを基準にして私たちが自分を見つめ直し、考え直す場でありたいです。
大人の心を成熟させていく、そんな希有な場所としてあり続けたいと願っています。
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