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一言添える温かみ
そうすると、こちらからも「こちらこそ」という言葉を贈る。
そうして心が通じ合い、そこに和やかな雰囲気が生まれる。
だが、稀に「はい」としか言わない人もいる。
「山田さんですか」「はい」「野口です。いつもお世話になっております」「はい」「山田先生はいらっしゃいますか」「いません」「いつ頃お帰りですか」「分かりません」「そうですか、失礼致しました」「はい」ガチャン。
ー何とも味気なく、がっくりと疲れを覚える。
会話は、表面上の「伝達・やりとり」だけで用件が済めばいいというものではない。
言葉の背後にある思いを忖度し合いながら進行してこそ、豊かな会話になるのである。
先の電話でも一応の用件は伝わるがまことに貧しい受け応えであって、面白みも温もりも感じられない。
「プラスの一言」が大切なのである。
「お早うございます」も、「さようなら」も、「お邪魔致しました」も、それだけでは何かが足りない。
言い残したこと、心に思うことを「一言添える」だけで、人間関係はずっと細やかになり、明るくなり、楽しいものになるのである。
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