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答えは先回りしない
しかし、実際の子育ての実情は上手くいくものではない。
そうしたいけど、できない育児の理想と現実の狭間で悩んでいるお母様、お父様は大勢いるのではないですか?
そこで今回は育児に「正解」はない。
つまり「不正解」もないということに
焦点を当てたいと思います。
子育てあるいは教育とは、「将来こうなるから先手を打つ」というようなものではなく、どんな世の中になったとしても生きていける人間を育てることである。それ以上でもそれ以下でもないのです。
アフリカの砂漠に生まれた子どもにも、アラスカの氷原に育つ子どもにも、アマゾンの密林に暮らす子どもにも、「生きる力」が備わっています。
どんな状況にあっても環境に適応し、生き抜く強かさがあったからこそ、人間という種はこれ程までに繁栄できた。
世知辛いコンクリートジャングルに生まれ落ちた子どもにも同様の力が必ずある。
それを引き出すのが大人の役目なのです
その為に必要なのは、あれこれ「与える」ことではなく、できるだけ「待つ」こと。
子どもの主体性を尊重することが理想です。
しかし、トラックが行き交う道路に向かって走り出す子どもには即座に制止させなければならない。
公共の場において人に迷惑をかけるような行為は慎むように教えなければならない。
理想と現実は違う。
親はそのバランスに悩むのではないですか?
理想と現実の狭間でただ気をもみ続ける。
それが親の役割なのだ。
昨日うまくいったことが今日は通用しないかもしれない。
その逆もあるだろう。
たとえば食事中に子どもが箸を落としてしまったとします。
その箸を拾ってあげるのか、自分で拾わせるだろうか。
それには「正解」はありません。
しつけ上、どちらも正しいのです。
子ども自身に拾わせる親は、自分でしたことはは自分でけじめをつけるという大原則を教えることになる。
一方、箸を拾ってあげる親は「親切」のお手本を示していることになる。
他人が落としたものであったとしても知らないふりをしないで拾ってあげるという優しさや心の余裕を、子どもは学び取るだろう。
拾わせるのか、拾うのか。親として子どもに何を伝えたいかという選択だ。
状況によって使い分ければいいのです。
夫婦で子育てしていると、パートナーの子供への接し方を優しすぎるとか厳しすぎるとか感じることもあるだろう。
たとえば落書きに対して叱るのか、それとも諭すのか、夫婦といえども価値観や判断基準は異なるものです。
「夫婦の判断基準を統一しないと子供が混乱する」と育児書には書かれているが、夫婦といえども2人の価値観を完全に統一することは難しい。
世の中は正解のない問題ばかり。
それなのに、両親が何に対しても統一見解をもっていたら、それが世の中の正解だと子どもは勘違いしてしまうだろう。
両親の価値観にズレがあってこそ、初めて世の中が立体的に見えてくる。
そのズレの狭間で混乱を何度も乗り越える経験を経てこそ、子どもは自分なりの状況判断力を身につけるのだ。
人の考え方はそれぞれ違うことを実感してこそ、多様性を受け入れる柔軟さを身につけるのだ。
夫婦の価値観に幅があればこそ、その幅の中で子どもの個性が育まれ、折れない心を育むことができます。
要するに、子育てに「正解」などない。
「正解」がないということは「不正解」もないということ。
親の意図とはほとんど関係のないところで、子どもは育っていくのである。
子どもは親の思った通りには育たないものです。
子どもが育つ上で、もちろん親の影響力は絶大です。
結局、親がすべき一番大切なことは、子どもの中に必ずある「生きる力」を信じて見守ることであるという最初の話に戻る。
親のその姿勢が、子どもの力を最大限に引き出す最高の励ましであると考えます。
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