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ノーベル賞受賞者が断言「5歳までの環境が人生を決める」(保育園義務教育化より)
これが学問的に証明したのが、ノーベル経済学賞受賞者であるシカゴ大学のジェームス・ヘックマン教授である。
このヘックマン教授が、日本のメディアへのインタビューに対して「5歳までの躾や環境が、人生を決める」と答えている。
その根拠として教授は「ペリー幼稚園プログラム」よりも低い年齢を対象にして行われた「アベセダリアン・プロジェクト」を例に挙げていた。
この実験は、貧しい家に生まれた平均生後4.4ヶ月のアフリカ系アメリカ系を対象に行われた物だ。
ここでもアメリカらしく、きちんと保育園に通わせるグループと、通わせないグループの比較実験が行われた。
保育園に通った子どもたちは、一日6時間から8時間、週5日間、当時の最新理論に基づいた学習ゲームなどをさせられた。
同時に教師は保護者面談を定期的に実施、家庭学習の進め方を教えた。
すると、やはりペリー幼稚園プロジェクト同様の結果が出た。
教育を受けた子どもたちは、学校の出席率や大学進学率が高く「いい仕事」に就いている割合も高くなったと言う。
実験に参加した一人はテレビのインタビューに答えていた。大学を卒業後、ニューヨークで就職、「人生の成功者」になった黒人男性だ。
「僕のことを賢いとか頭がいいとか言う友だちがいます。」でもそうじゃない。僕は学ぶことが好きなだけです。勉強が好きになったのは全て早期教育のおかげです。
多くの人は勉強は学校に上がってからでいいと言いますが、僕には確信がある。学習はずっと前から始まっています。」
そしてヘックマン教授は、これらの実験を踏まえてある残酷な事実を突きつける。
「20代で集中的に教育を施いても、幼児期ほどIQを高めることはできません」
「人生はいつでもやり直せる」とか「人生に手遅れはない」というが実際は人生は後から挽回するのが非常に難しいというのだ。
最近、日本語訳が出版されたヘックマン教授の「幼児教育の経済学」と言う本でも「学力」やIQなどは幼少期に確率され、大人になってから子供のIQや問題解決能力を高めるのが非常に難しいことが述べられている。
最もヘックマン教授とは違って、人生はもっと後からでもやり直せると言う研究も存在する。
ただそれでも多くの研究者が賛成するのは、乳幼児教育の方が「コスパ」がいいと言うことだ。
保育園義務教育化/古市憲寿
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