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意味の深い食事の挨拶
昨今、この重要なひとときが崩れかけてきている。テレビによって団欒が奪われたり、家族がばらばらに食事をとる「孤食、個食」も増えつつあると聞く。淋しいことだ。このような傾向が心の虚ろや淋しさを生み、不登校や非行やいじめの直接、間接の原因ともなっているのではないか。
「戴きます」という言葉は、食材や料理に対して「かけがえのない大切な生命を、私が戴きます。有り難うございます」という、深い感謝の表明である。
「ご馳走様でした」の「馳」は、乗り物で走り廻ることであり、「走」は自分の足で走り廻ることである。御飯一粒、パン一切れでも、それが私達の口に入るまでには、多くの人手がかかっている。たくさんの人が「走り廻る」ことによって毎回の食事が戴ける。夥しい人々の「馳走」への感謝を表明する言葉が「御馳走様でした」とうい挨拶である。「有り難うございました」「おいしかったです」と言う言葉がごく自然に口に上るようになることが望ましい。因みに、「戴きます」「御馳走様」という挨拶は、世界に例がないようで、日本固有の美徳と言える。
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