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素直さの正体
あれから三十年余を経て、いよいよこの言葉の重さを実感している。素直な人は順調に人間として成長し、年とともに相応の地位を得て活躍の舞台を広げている。素直さを欠くものは、結局世間に認められぬまま終わっていることが多い。むろんそれのみではないが、一般的には「素直さ」こそが「伸びの要件」と断言できる。
では、その素直さ、とはどういうことであろうか。それは、相手や他者の言動を「受け入れる」「受容する」ということだ。素直でない者は、受容を拒み、疑い、時には反発して抗い、時には敵対する。
忠告や忠言は、時に耳に逆らい、人を不快にするが、素直な者はそういう自我を抑えて、まずは「受容」する。換言すれば「自分の現状を否定し、破壊し、相手の言を受け入れる」のである。反対に、現状に固守する者は、その場に留まる。その場に留まる者は「伸びない」ままで終わる。
他者の忠言、忠告、叱正、注意を、ひとまずは有り難く「受容する」ことが「素直さ」の正体であり、伸びる鍵だ。
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