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父母の大恩

更新日:2020.6.18|1(2週間) / 117(累計)

父母の大恩
 中江藤樹は、江戸時代に近江国(現滋賀県)に生まれ、幼時から学徳群を抜き、長じては儒学者として、日本の陽明学派の祖となった。父母への孝養の念篤く、それに努めたので人々の範とされ、後に「近江聖人」と唱えられた仁者である。

 「翁問答」は、中江藤樹が著した教訓書であり、儒学の根本道徳を平易は仮名書きの門答体で説いた名著として知られる。ここにはその一遍を抄録しているが、平易は文体の中に深い含蓄が込められた名文と言えよう。

 父母なくしては何人もこの世に生を授かることはない。この世の中には無数の生命が犇めいているが、それらの中に「人間」として誕生するということは何と尊く、有り難いことであろう。

「人間として生まれた」という幸運は「一つの奇跡であり、この奇跡が起こる確率は、一千万円の宝籤に連続して一万回当たるほどに稀有なことだ」とは、筑波大学名誉教授で遺伝子研究の世界的な泰斗である村上和雄先生の名言である。
我々は、この幸運を授けて下さった両親に対して、その御恩の大きさを片時も忘れてはなるまい。

 その上に、親は子供を心から愛し、大切に養育してくれるのである。まさに「父母の恩徳は天よりも高く、海よりも深し」である。親の養育なくして、人が成長することは不可能だからである。
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