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脚下を照顧せよ

更新日:2020.7.13|1(2週間) / 119(累計)

脚下を照顧せよ
 外に出る時には誰でも履き物を履く。裸足で外を歩く人はいない。また、靴下を履いた上に重ねて靴を履くのが普通である。そうでないと落ち着かない。危険でもあり、履きにくくもあるからだ。靴下の上に靴を履くことによって、安心できるし、歩き易くもなる。つまり履き物に大きく助けられて私達は外での仕事が可能になるのである。

 調理には、俎板や包丁や鍋が必要になる。食事には、皿や椀や箸が必要になる。それらが無ければ調理も、食事も満足にはできない。つまり、それらの様々な道具や食器に助けられ、支えられて初めて調理も食事も成り立つのである。調理も食事も道具や食器のお陰でできる。

 ところが、外出や食事が済んでしまうと、ついついそれらへのお陰や感謝を忘れがちである。その恩や感謝を忘れない人は、脱いだ履き物を揃えるし、食事の後の皿や箸もきちんと片付け、洗い、仕舞うことができる。

 仏教に「脚下を照顧せよ」という語がある。「足もとに注意せよ。真理を外ではなく、自己自身の内に求めよ、の意。」と説かれている。ごくごく身近な脚下の事象への心配りがきちんとできることが肝要である。
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