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食生活
というのは、人間が命を繋いでいく食事は、動物や植物の命を奪うことなしには成り立たないからだ。その意味では、食事とは他の生物の生命を奪うことに他ならない。万物にとって生命は一つしかない。かけがえのないたった一つの生命を我々人間は常にもらい続けて生きていくしかないのである。
「大切な命を戴くのです」という言葉は、そういう意味なのだ。だからこそ、心からの感謝を食物に対して持つべきなのである。我々は、「生きている」のではなく、これらの動物や植物によって、実は「生かされている」のだ。
日本では、食事の前に「戴きます」と唱える習慣があるが、これは実に美しく、かつ敬虔な所作である。
「戴く」というのは、頭のてっぺんに何かを載せることであり、それは最上、最高の敬意を表す行為である。卒業証書は両手を高く捧げて頭よりも高くした姿勢で受けとる。これは深い敬意の表明なのだ。「戴きます」という挨拶は、食物として命を提供してくれる動植物に、心からの敬意と感謝を表す言葉である。そのことを知れば自ずと頭を下げたくもなってくる。
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